交通事故で記憶喪失になった君と、余命一年の私

月葉はよくラインをしてくれるが既読無視をしてしまっている。輝羅にも本当に申し訳ない事をしていると思う。


でも私はどうしても無理なんだ。大事な、大事な親友が余命一年の宣告を受けて、心臓発作に苦しんで、治療に苦しんでいて。


一時期人格がまるで変わったように思った時期もあった。


なのに笑顔になった月葉を見ていたらなんでこんなに強く入れるのだろうと思ってしまう。病気に苦しんでいるのに周りの人のために笑顔でいる。そんな月葉を見るのが辛いから...


輝羅にも迷惑をかけてしまっている。気にかけてくれているのに私は冷たくしてしまっている。最近はラインも来なくなった。


嫌われてしまったんだ。私がこんなに冷たい態度をとっているから...


仕方ないよね...全部、全部私が悪いんだもん...


ブー...


スマホが光った。通知が来ている。相手はきっと月葉か輝羅だろう。


だけど最近は来ないからきっと天気とかの通知だと思う。


だけど一応開いてみる。


ラインの通知だった。もしかしたら学校の子かもしれない。返すのも嫌だ。


でもこんな時に誰からラインが入るのだろう。
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