交通事故で記憶喪失になった君と、余命一年の私

観覧車が一周して、遊園地を後にした。


「この後は大人数で誕生日パーティーかぁー」

「月葉っち兄弟も来るでしょ?」

「うん、、、お兄ちゃん本当はバイトだったらしいけどお母さんがダメだって言ってた」

「うわー.....想像できる。奏斗も大変だな」

「まーでも湊斗も音羽もいるからね」

「前まではザ・双子って感じだったけど、最近それぞれやっぱり変化して来たよね」

「そうそう。いつの間にか大きくなっちゃうんだろな」

「だな.....」


昔は男女の双子なのに瓜二つ並にそっくりだった湊斗と音羽。


気づけば男の子、女の子と変化していき双子でもそんなに似なくなって来た。

「あっ!信号赤になっちゃう」


ここの信号長いから嫌なんだよね。


「長いけど待とうぜ.....」

「ん?いいけどなんで?」

「もう少し遅れて帰ってもいいかなって」


なんかわからないけど嬉しい...


「そーいえば、嶺緒の家って事は澪緒いる?」

「そりゃーね.....」


澪緒(Mio)...嶺緒の妹。


小学5年生。 


「最近見かけないんだよねー。音羽とは一緒に帰って来たりしてるらしいけど.....」

「友達と遊ぶ事が多くなって来てるからな」

「今日久しぶりに会えるのか、、、」


最近会えてないから嬉しいな。


「あっ!青になった」


キキィ──


嫌な音が聞こえて右を見ると猛スピードで走ってくる車が来た。


「月葉!危ない!!」

「え?、、、」


私のちょっと後ろを歩いていた嶺緒が私の腕を引っ張った。


けど間に合わなかった...


───ぶつかる!!


ここで私の記憶は途切れた、、、
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