交通事故で記憶喪失になった君と、余命一年の私

それからどれくらい泣いたか分からない。

気づいた時には外が真っ暗になっていて、面会時間終了ギリギリだった。


館内放送が流れた時までほとんど記憶になかった。

ただただひたすら泣いた。


「そろそろ面会時間終わるね...じゃあ、今日は一旦帰ろ?」

冷静を保っていた輝羅が私たちに言ってきた。


いつもは元気で明るくて、しっかりしてなさそうな輝羅だけど実際、こうゆう時になったら一番冷静になって頼れる存在。


そうゆう輝羅が私たちは好きなんだ。


「そうだね....じゃあ月葉...バイバイ...」

荷物を持って輝羅と一緒に帰ろうとして、ドアに手をかけた。

その瞬間....

「瑠奈!!」と月葉が大きな声で私を呼び止めた。


振り返ると月葉が満面の笑みで口を開いた。


「瑠奈。今日は来てくれてありがとう。本当に嬉しかったよ。また....また来てくれる?」


最後の方は恥ずかしいのかほとんど聞こえないくらい声が小さかった。


でも...

「もちろん!!」

私なら分かる。ずっと一緒だから。

私たちはまた、やり直せる。だから、大丈夫。

きちんと...月葉の病気も理解して。

私よりも、月葉の方が辛いと思うから....


だから、私は月葉を支え続けるよ

どんな結果になろうと、最期は笑って....

ね?月葉....


右目から一粒の涙が流れた中で、私は星空満点の満月の夜に自分の心に固く誓った。
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