交通事故で記憶喪失になった君と、余命一年の私


頭の中でぼーっと考えていた。

──ガラガラ

「月葉!おはよ!」

急にドアが開いて見てみると制服姿の瑠奈、輝羅、流がいた。

「みんな!どうした?」

「どうしたも何も、今日終業式だったからさ!このまま病院行こっかなって。ねっ!」

輝羅が何か嬉しそうにしながら瑠奈に共感を求めていた。

「実はね、今日でこのクラスは終了だからみんなで月葉に寄せ書きを書いてきたんだ!」

「そうなの!?」

ドア付近でずっと立っていた流が後ろに隠していたであろう紙袋をガサガサと漁りながら私の真横に来た。

「はい、これ」

表紙に始業式にクラスみんなで撮った写真が貼られていて、一年前になったとおもうとすごく早いと感じる。

写真の中の私は両サイドに瑠奈と輝羅がいて、後ろに嶺緒と流がいる。

嶺緒の笑顔を久しぶりに見た気がした。この時の私はまさかこんなことになるだなんて思っても見なかった。

中を開いてみると、クラスみんなからの寄せ書きが埋め尽くされていた。

私はちょっとした病気になってしまったから治療に専念するために、学校を休んでいると言われているらしい。



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