交通事故で記憶喪失になった君と、余命一年の私
「あっ!信号赤になっちゃう」
ここの信号長いから嫌なんだよね。
「長いけど待とうぜ.....」
「ん?いいけどなんで?」
「もう少し遅れて帰ってもいいかなって」
なんかわからないけど嬉しい...
「そーいえば、嶺緒の家って事は澪緒いる?」
「そりゃーね.....」
澪緒(Mio)...嶺緒の妹。
小学5年生。
「最近見かけないんだよねー。音羽とは一緒に帰って来たりしてるらしいけど.....」
「友達と遊ぶ事が多くなって来てるからな」
「今日久しぶりに会えるのか、、、」
最近会えてないから嬉しいな。
「あっ!青になった」
キキィ──
嫌な音が聞こえて右を見ると猛スピードで走ってくる車が来た。
「月葉!危ない!!」
「え?、、、」
私のちょっと後ろを歩いていた嶺緒が私の腕を引っ張った。
けど間に合わなかった...
───ぶつかる!!
ここで私の記憶は途切れた、、、