交通事故で記憶喪失になった君と、余命一年の私
第3章
退院してから三日がったった。今日は約四週間ぶりの学校。いつも通り起きて、朝ごはんを食べる。制服に着替えて、ドアを開ける。いつも通りの日常...
にはならなかった...
いつもだったら窓を叩いて嶺緒を起こすし、玄関を開けたらいつも嶺緒がいる...
だけど今日からはできない...
わかってる...強くなると心に決めた...だけど不意に思い出すと辛くなる...こんなんでこれからやっていけるか不安になる...
「月葉!!」
後ろから声が聞こえた。振り返るとそこには輝羅がいた。
「月葉ー会いたかったよぉーー!」
「輝羅!!久しぶり!!」
感動映画とかでよくある感動の再会シーン並みのハグをした。
「事故に遭ったって聞いたときは頭が真っ白になったよぉ〜」
「心配かけてごめんね」
「全然大丈夫!!あれ?嶺緒はまだ退院できてないの?」
「うん、そう」
「心配だねぇー。早く元気になればいいのに」
「そうだね」
学校に着くと色々な人が駆け寄ってきて心配してくれた。
みんな優しくて嬉しかった。流も心配してくれた。
嶺緒がいないことや、調子がどうだか。嶺緒に関することは一つも言ってこなかった...
きっと勘付いたんだと思う...みんなまだ嶺緒が入院していることを...だけど、その優しさが嬉しかった...
授業が始まって、三週間も来ていなかったから内容がわかんなかった...だけどノートを見せてくれたりして、やり通すことができた...
本当に周りの人がいてくれてよかった。