交通事故で記憶喪失になった君と、余命一年の私

部屋に戻ると着替えをした。着替えてからとりあえず机に向かった。何から始めよー今日の出ている宿題は英語と歴史。英語は音読の宿題。

「音読から始めるかぁー」

バックから教科書とタブレットを出して録音した。意味がわからない単語とかは全部読み方を振ってある。

「よしっ!これていいかな」

とりあえず英語の宿題は終わった。次は歴史かぁー。歴史嫌いなんだよね...歴史上人物の名前を全然覚えられない。小学校の時から歴史だけは本当に無理。いっつも歴史が得意な嶺緒に教えてもらってたなぁー。今聞いちゃおっかな!?でもでも、今話しかけづらい。

どうしよう、どっちを取ろう。よしっ!聞こう!

勉強がわからなくて、赤点を取って進級できない方が怖い。

──ガラガラ

嶺緒の部屋につながる窓を開けた。

「よしっ!」

──コンコン

嶺緒の窓を叩いた。

「嶺緒ー?いるでしょ?」

あっ!来た!陰でわかる。

──ガラガラ

「なんだよ」

なんか機嫌悪いな。

「嶺緒寝てた?」

「あぁ」

絶対そうだと思った!嶺緒寝起きはびっくりするくらい機嫌が悪い。寝起き悪いし、機嫌悪いし。絶対他の人が見たらびっくりすると思う。

「で。なんだよ」

機嫌悪いなぁー

「あぁー嶺緒って歴史得意だよね?教えてくれない?」

「教えてくれって、俺今日学校行ったばっかりだぞ」

あぁ〜そうだった。忘れてた!私、やっぱり馬鹿だった。

「マジで記憶ないからわからない」

「そうだよね、ごめんね」

「あぁ」

──ガラガラ

あぁ〜どうしよう...教科書見てやるしかないよね。よし!やるか!

教科書をを見てやると、思っていた以上に簡単だった。これ、嶺緒に聞かなくてもわかったな。

「月葉ー!もうそろそろ行くよー」

「はぁーい」

下に降りていって玄関のドアを開けるともうみんな揃っていた。
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