交通事故で記憶喪失になった君と、余命一年の私
第5章

・・・・

カーテンが閉め切っていて暗い部屋。部屋の周りをし渡すと物が散らかっている。そんな中私はベットの上に座って何を考えずにぼーっとしている。

コンコン...

「瑠奈....ご飯できたけど....」

部屋のドアの先にあるのは私の母親。

「そこに置いといて....」

私は引きこもりとなってしまった。月葉の病気について知ってしまったあの日から....

ショックが大きすぎた。つい先週まで元気だった月葉が急に隣で倒れて病院に搬送されて、余命一年と聞かされて。

月葉は誕生日の日に交通事故に遭って、幼馴染で彼氏の嶺緒が記憶喪失になると言う大きな苦痛を味わった。

なのにまだ、月葉には大きな苦痛。試練を与えられている。ずっと一緒にいるのに、月葉がずっと一人で苦しんでいる。

私にはもできなかった。月葉に病気を聞かされたとき、私は病室を飛び出してしまった。

月葉に悪いことをしてしまった...

一番辛いのは月葉のはずなのに私がショックすぎて月葉の話を聞かずに勝手に飛び出してしまった。

そんなことをしてしまった自分が恥ずかしかった。苦しかった。

その日から私は部屋を出ることができなくなった。

ご飯はお母さんに部屋の前に置いてもらって、お風呂はみんなが静まり返ったあとに入っている。

ここ一ヶ月誰とも会っていない。

月葉はよくラインをしてくれるが既読無視をしてしまっている。輝羅にも本当に申し訳ない事をしていると思う。

でも私はどうしても無理なんだ。大事な、大事な親友が余命一年の宣告を受けて、心臓発作に苦しんで、治療に苦しんでいて。

一時期人格がまるで変わったように思った時期もあった。

なのに笑顔になった月葉を見ていたらなんでこんなに強く入れるのだろうと思ってしまう。病気に苦しんでいるのに周りの人のために笑顔でいる。そんな月葉を見るのが辛いから...

輝羅にも迷惑をかけてしまっている。気にかけてくれているのに私は冷たくしてしまっている。最近はラインも来なくなった。

嫌われてしまったんだ。私がこんなに冷たい態度をとっているから...

仕方ないよね...全部、全部私が悪いんだもん...

ブー..

スマホが光った。通知が来ている。相手はきっと月葉か輝羅だろう。

だけど最近は来ないからきっと天気とかの通知だと思う。

だけど一応開いてみる。
ラインの通知だった。もしかしたら学校の子かもしれない。返すのも嫌だ。

でもこんな時に誰からラインが入るのだろう。
< 90 / 102 >

この作品をシェア

pagetop