続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「点けんぞ」

「うんっ」

美弥が、ミャーを抱き抱えて、その瞬間をツリーの前で待ち構えている。

リモコンでオンにすれば、二人で1時間ほどかけて組み立て、飾りつけたクリスマスツリーの電飾は、星を堕としてきたかのように、キラキラと輝き、優しい光を放つ。まるで、聖なる夜を待ち侘びているみたいに。

「わぁ、颯、綺麗だね!すごいすごい!」

軽く飛び跳ねながら、美弥が、嬉しそうにツリーを見上げている。

(買って良かったな)

リビングの電気を消せば、クリスマスツリーの眩い光と、窓辺から差し込む月明かりだけが、俺達を照らす。

俺は、後ろから、美弥の体を包み込んだ。

「ニャーン」

俺の空気を、しっかり察したミャーが、美弥の腕から、リビングの床へとトンと着地すると、ツリー横に置いてある、買ったばかりの猫型ベッドに入り丸くなる。

美弥は、白い掌を伸ばすと、俺がスターバックズで買ってきた、サンタ帽を被ったネコのオーナメントと、トナカイのツノをつけたネコのオーナメントに優しく触れた。
< 112 / 262 >

この作品をシェア

pagetop