続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「マジで自分勝手だよな!ふざけんなよ!迷惑だなんて思った事なんてねぇよ!……何で俺に……何も言ってくれねぇんだよ!」

俺は、スラックスのポケットからスマホを探り、繋がらないと分かっていながら、すぐに美弥をタップする。

耳元からは、電源が入ってないとの無機質なアナウンスが、虚しく返ってくる。

「分かんねぇ……」

ーーーー本当に何も分からない。

分かるのは、もう美弥が、荷物を纏めて、此処を出て行ったことだけ。

何故、美弥が俺と別れることにしたのか。

きっと、美弥は、俺にその事を言えば迷惑かけるとか思ってるんだろう。でも、それじゃあ、俺の、この気持ちのやり場はどこへやればいい?

お前しかいらない。

どんな事があっても、何がなんでも俺が、必ず守ってやるのに。

「くそ……どこ行ったんだよっ」

手元のスマホが震えて、俺は液晶も見ずに、慌てて通話ボタンをスワイプした。


「美弥っ?美弥どこにいる?!」
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