続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
箒で集めた枯葉が、じんわり滲みそうになって、私は、慌てて、上を向いて鼻を啜った。
ーーーーだめだ。
颯の事を考えただけで、すぐに泣きそうになる。会いたくて堪らなくなる。
(もうママなんだから……)
少しずつでいい。
颯の事を忘れることはできなくても、颯の事を考える時間は、月日と共に少しずつ減っていくのかもしれない。
「美弥ちゃん」
涙を引っ込めて見れば、梨花が、扉から顔だけして、おいで、と手を振った。
私は、慌てて、枯葉を塵取りに集めて捨てて、箒を片付けると店内へと入った。
「梨花ちゃん、どしたの?」
「あ、実はね」
ちょうど、店の奥から、鈴木店長が出てくる。
「そろそろだね、梨花ちゃん、休憩行っておいで」
梨花のシフトは、14時から23時だ。いつもより随分早い休憩に目を丸くしている私に、梨花が、スマホを翳した。
「ね。美弥ちゃんも、一緒に駅前のライブ観に行かない?」
「え?ライブ?」
梨花は、今年20歳で、音楽の専門学校に通いながら、未来のシンガーソングライターを夢見て、自身で作詞作曲をしていると、先日、恥ずかしそうに話してくれたことがあった。
「ねぇ、美弥ちゃん、この人、知ってる?今、SNSで人気のシンガーソングライターの足立京!イケメンだし、切ないラブソングが人気なんだー」
(あだち……きょう……?あれ、何処かで……)
ーーーーだめだ。
颯の事を考えただけで、すぐに泣きそうになる。会いたくて堪らなくなる。
(もうママなんだから……)
少しずつでいい。
颯の事を忘れることはできなくても、颯の事を考える時間は、月日と共に少しずつ減っていくのかもしれない。
「美弥ちゃん」
涙を引っ込めて見れば、梨花が、扉から顔だけして、おいで、と手を振った。
私は、慌てて、枯葉を塵取りに集めて捨てて、箒を片付けると店内へと入った。
「梨花ちゃん、どしたの?」
「あ、実はね」
ちょうど、店の奥から、鈴木店長が出てくる。
「そろそろだね、梨花ちゃん、休憩行っておいで」
梨花のシフトは、14時から23時だ。いつもより随分早い休憩に目を丸くしている私に、梨花が、スマホを翳した。
「ね。美弥ちゃんも、一緒に駅前のライブ観に行かない?」
「え?ライブ?」
梨花は、今年20歳で、音楽の専門学校に通いながら、未来のシンガーソングライターを夢見て、自身で作詞作曲をしていると、先日、恥ずかしそうに話してくれたことがあった。
「ねぇ、美弥ちゃん、この人、知ってる?今、SNSで人気のシンガーソングライターの足立京!イケメンだし、切ないラブソングが人気なんだー」
(あだち……きょう……?あれ、何処かで……)