続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
記憶の糸が、いまいち繋がらない私を見た、梨花が、スマホの検索画面を拡大してくれる。

「どう?知ってる?」

「あっ!」

思わず大きな声が出た。

そこには、颯と行った初詣の時に、出会った麻美の恋人が写っている。

間違いない、あの時と同じ金髪で耳元にはピアスが3つほど光っている。

私が発した珍しく大きな声に鈴木店長が、すぐさま反応した。

「お、冬宮さんも知ってるのかい?」

「あ……はい」

「やっぱ、美弥ちゃんも知ってるんだ!いこいこー」

「えと、店長……私も抜けていいんですか?」

「今日は、バレンタインだしね。特別だよ、楽しんでおいで。ちなみに僕へのチョコレートまだまだ受付中だからね」

梨花が、キャハハっと笑う。

「さ、店長のお許しも出たし、行こう、美弥ちゃん」

「うんっ」

私は、ロッカーからコートを羽織り、首元にマフラーを巻くと、梨花と共に駅前へ向かった。

空からは、バレンタインを彩るように、小さな白い雪の粒が、花びらが舞うように、一粒、二粒と降りてきていた。
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