続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
京のライブは、町の住民や、他の町からも
ファンが駆けつけて、大賑わいだった。

「ライブ、最高に良かったね」

「うんっ、梨花ちゃん誘ってくれてありがと」

「全然っ。お腹の赤ちゃんの胎教にもなったかも」

「ほんとだ」

私達は、レジ後ろのタバコの在庫整理と発注をしながら、笑い合う。

鈴木店長は、レジ横の事務所の中で、売上管理表と睨めっこ中だ。

「それにしても、バレンタインだからか、夕方から全然お客さん来ないね」

梨花が、早く彼氏欲しいなぁと呟いた。

店の時計は20時を回ったところだ。

(颯……どんな誕生日過ごしたかな……)

私は、一緒には過ごせなかったけど、笑って過ごしてくれてたらいいなと心から思う。

「お腹冷えてない?大丈夫?」

「うん、ありがと。梨花ちゃん」

「私、肉まんの引き上げ時間迫ってるから、新しい在庫、ちょっと取ってくるね」

梨花が、目配せしながら、扉を開けて、レジ横の事務所入っていく。


ーーーーピロロロロン。

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