続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「ちょっと……颯」

そのまま、昨日つけたばかりの、首元の赤い痕に重ねて口付ける。

「ダメだって」

「ダメって美弥に言われると、そそられんだけど?」

俺は、ベッドの上に美弥をゴロンと押し倒した。

「颯っ……子供達来ちゃうから」

結婚して三年経っても、ベッドの上で、こうして、すぐに顔を赤くする美弥を見ると、途端に意地悪をしたくなる。

「好きだよ。美弥は?」

あの日、初めて美弥をこのベッドで抱いてから、俺は美弥に、キスをして、この言葉を言わせる瞬間が、たまらなく愛おしい。


「恥ずかしい」

「言えよ」

ベッドの上の美弥は、いつまで経っても、まるで初めてその言葉を口に出すかのように、頬をピンク色に染める。

「颯……大好きだよ」 

「よくできました」

俺は、美弥の左の薬指に嵌められた永遠の証に、目を細めながら、触れるだけのキスを落とした。

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