続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
第2章 王子様の戸惑い
安堂不動産本社ビルの屋上には、いくつか、木製のベンチが置いてあり、環境保全の一環として、鮮やかな緑の植物達が、屋上の柵を取り囲むようにして、所狭しと植えられている。
「美弥ちゃん、たまには外もいいね」
麻美を、真似して見上げれば、水色の水彩絵の具を撒いたような青空に、鰯雲が浮かぶ。
「確かに、空気もおいしく感じるね」
私は、不安を吐き出すように、大きく深呼吸をした。
「これ、本当お薦めなのっ、食べてみて」
「うん、楽しみっ」
私達は、ベンチに座って、麻美オススメの会社近くの人気ベーグル専門店で買ってきた、1番人気のブルーベリーチーズベーグルを舌鼓する。
「あ、美味しいっ」
もちもちとしたベーグルに、甘酸っぱいブルーベリーとクリームチーズが絶妙に絡み合って、
麻美が週に2回も食べているのが、よく分かった。
ベーグルを頬張る私を見ながら、麻美が嬉しそうに笑った。
「少しは元気でた?」
麻美が、カフェラテをストローで、吸い込みながら、目線だけ、私に合わせる。
「うん、少し落ち着いたかな。……でも、麗夜さん、私をアシスタントに指名するなんて、何考えてるんだろ……」
「うーん、颯さんを困らせたいことは間違いないだろうね……」
言いながら、麻美が、また一口ベーグルを齧る。
「ねぇ……麗夜さんが、颯さんとは血の繋がらない兄弟っていうのは聞いてるよね?」
「あ、うん」
「麗夜さんは、安堂社長の亡くなられた奥様の前夫とのお子さんで、イギリス人とのハーフなの。確か、麗夜さんが、一歳の時に、その奥様は、安堂社長と再婚されたらしいわ」
(麗夜さんが、一歳……颯が、生まれて間もない頃だ)
颯の母が、安藤社長に黙って、颯を産んだと言っていたことを思い出す。
「美弥ちゃん、たまには外もいいね」
麻美を、真似して見上げれば、水色の水彩絵の具を撒いたような青空に、鰯雲が浮かぶ。
「確かに、空気もおいしく感じるね」
私は、不安を吐き出すように、大きく深呼吸をした。
「これ、本当お薦めなのっ、食べてみて」
「うん、楽しみっ」
私達は、ベンチに座って、麻美オススメの会社近くの人気ベーグル専門店で買ってきた、1番人気のブルーベリーチーズベーグルを舌鼓する。
「あ、美味しいっ」
もちもちとしたベーグルに、甘酸っぱいブルーベリーとクリームチーズが絶妙に絡み合って、
麻美が週に2回も食べているのが、よく分かった。
ベーグルを頬張る私を見ながら、麻美が嬉しそうに笑った。
「少しは元気でた?」
麻美が、カフェラテをストローで、吸い込みながら、目線だけ、私に合わせる。
「うん、少し落ち着いたかな。……でも、麗夜さん、私をアシスタントに指名するなんて、何考えてるんだろ……」
「うーん、颯さんを困らせたいことは間違いないだろうね……」
言いながら、麻美が、また一口ベーグルを齧る。
「ねぇ……麗夜さんが、颯さんとは血の繋がらない兄弟っていうのは聞いてるよね?」
「あ、うん」
「麗夜さんは、安堂社長の亡くなられた奥様の前夫とのお子さんで、イギリス人とのハーフなの。確か、麗夜さんが、一歳の時に、その奥様は、安堂社長と再婚されたらしいわ」
(麗夜さんが、一歳……颯が、生まれて間もない頃だ)
颯の母が、安藤社長に黙って、颯を産んだと言っていたことを思い出す。