【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
「シャーロット…」
「……」
シャーロット様は先程までの自信満々な態度は無くなっていました。
ついに我慢が爆発してしまったのか、瞳からはポロポロと涙を零しています。
あまりにも痛々しい姿に、わたくしは同情してしまいます。
わたくしとレンティル様との結婚式まで二ヶ月と迫り、婚約破棄する素振りもないレンティル様に心の中で不安があったのでしょう。
シャーロット様は涙を流しながら、レンティル様に選択を迫ります。
暫くの沈黙の後、レンティル様は静かに口を開きました。
「……すまない、シャーロット」
「……!!」
「シャーロット、僕は君を本気で愛していた」
「ぁ……」
「だが、シャーロットではなくリディアを選ぶ………もうお前に価値はないんだ」
「……」
「仕方ない事なんだ!!分かってくれッ」