【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
わたくしと婚約破棄するから…と、結婚の約束をチラつかせて、関係を持ちながらシャーロット様の事を弄んでいたのです。
そしてシャーロット様を捨てたレンティル様は、わたくしと結婚するつもりなのでしょう。
流石にそこまで馬鹿だとは思わずにわたくしは驚いていました。


「あの……もう資料は必要ありませんよね?」

「何故だ?」

「だって、結婚式は中止ですもの」

「は……?」


は?と言いたいのはこちらのセリフです。
一体、目の前のこの人は何を言っているのでしょうか?


「僕はもう君を選んだだろう!?何を言っているんだ」

「……」


わたくしは呆れ過ぎて息が止まりました。
どうやら根本的に考え方が違うようです。


「……何を勘違いなさっているのか知りませんが、お父様にお話しして、婚約は破棄させて頂きます」

「なっ……!話が違うだろう!?」
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