【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
「ッ、何でも言うことを聞く!もう絶対に他の女を、愛したりしないから…っ」

「なんでも……?」

「ああ、そうだよ!!僕が出来る事なら…っ」


わたくしの言葉に希望の光を見出したのか、レンティル様は隠しきれずに笑みを浮かべています。
どうしてこの人は上手くいくことしか考えていないのでしょうか。

ある意味、ポジティブで羨ましいです。

それにこの年齢まで遊び歩いていたという事は、自分に自信もあることでしょう。
けれど、それもどうやら年貢の納め時というやつかもしれません。


「では、レンティル様……」

「何だい?愛しいリディア」




「潔く、婚約破棄をお願い致します」




レンティル様の希望に満ちた表情が一転、絶望に染まっています。
< 124 / 179 >

この作品をシェア

pagetop