【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
「ッ!それは……それだけは、無理だ!」
「残念ながら無理ではありません。婚約した時に契約したことを覚えていないのですか?」
「お、覚えているさ…!あの日交わした契約書みたいなものだろう?結婚するまで君に手を出してはいけないと……!」
「あとは?」
「あと……?」
わたくしは大きな大きな溜息を吐きました。
レンティル様の記憶の中には、どうやらその部分しか覚えていないようです。
やはり女性関係が、だらしないからでしょうか。
頭の中は女性の存在で埋め尽くされていることでしょう。
もしわたくしと結婚したとしても、後ろから背中をブスリと刺されそうでなりません。
そうなったとしても、数々の女性を弄んだ罰なのでしょう。
「一つは不貞行為についてです。お父様は結婚生活においてレンティル様が不貞行為を行った際は直ぐ様、わたくしと離縁するように申し上げております」
「……だがっ、まだ結婚前で」
「同じことです。なのでレンティル様が何を言おうとも、問答無用で婚約破棄させて頂きます。此方にはその権利があるのです」
「……ッ」
「それとも……先にマベール侯爵に、わたくしの口からお話し致しましょうか?」
「ーー!!」
「残念ながら無理ではありません。婚約した時に契約したことを覚えていないのですか?」
「お、覚えているさ…!あの日交わした契約書みたいなものだろう?結婚するまで君に手を出してはいけないと……!」
「あとは?」
「あと……?」
わたくしは大きな大きな溜息を吐きました。
レンティル様の記憶の中には、どうやらその部分しか覚えていないようです。
やはり女性関係が、だらしないからでしょうか。
頭の中は女性の存在で埋め尽くされていることでしょう。
もしわたくしと結婚したとしても、後ろから背中をブスリと刺されそうでなりません。
そうなったとしても、数々の女性を弄んだ罰なのでしょう。
「一つは不貞行為についてです。お父様は結婚生活においてレンティル様が不貞行為を行った際は直ぐ様、わたくしと離縁するように申し上げております」
「……だがっ、まだ結婚前で」
「同じことです。なのでレンティル様が何を言おうとも、問答無用で婚約破棄させて頂きます。此方にはその権利があるのです」
「……ッ」
「それとも……先にマベール侯爵に、わたくしの口からお話し致しましょうか?」
「ーー!!」