【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
「君のためなら何でもしよう!!リディア、君と結婚出来なければ、僕は……!マベール侯爵家はどうなるんだ」
今更何を言っているのか……驚きで笑いが止まりません。
レンティル様が現実を理解していないのは残念な限りです。
そしてレンティル様の浅はかな行動のせいで、マベール侯爵家は今から屈辱的なことを沢山しなければなりません。
「い、嫌だ……!何でもするっ!行かないでくれッ」
「では、慰謝料と違約金は追って請求させて頂きますね」
「慰謝、料…?違約金?」
「はい、契約を交わしておりますから」
「そ、そんな金っ……うちには」
「はい、そうですね!貴方は過酷な労働を強いられるでしょうね………一生」
レンティル様はガクガクと震えております。
ご自慢のお顔もゲッソリです。
「本日から援助の件はなしとなります。そして貸付の分の金利は元に戻させて頂きますので、マベール侯爵にそう伝えて下さいませ……レンティル様の口から」
「……ッ」
レンティル様は可哀想な程にお顔がくしゃくしゃになっています。