【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
そう、マベール侯爵はとても厳しいことでも有名なのです。

婚約者がいる状態で古くから親交の深いバルタ侯爵家の愛娘であるシャーロット様を誑かし続けた訳ですから、レンティル様は今からとっても酷い目にあうことでしょう。


「勿論、バルタ侯爵家にも慰謝料を請求させて頂きますから」

「なっ……!!」


レンティル様は口をパクパクとしています。
どうやら言葉が出ないようです。

けれど、法を犯したのはシャーロット様なのです。
勿論、シャーロット様になんの恨みもないですし、慰謝料も目的ではありません。

レンティル様に結婚をチラつかせて唆されていたとはいえ、婚約者がいる男性と関係を持っていたのですから、お気の毒ではありますが、キチンと慰謝料を請求させて頂きたいと思います。

カンカンに怒ったバルタ侯爵とシャーロット様がどう出るのか見ものですね。

それに、今からこの出来事は大きく社交界に広がるでしょう。

わたくしに隠れて行った不貞行為に加えて、シャーロット様を弄んだ罪はレンティル様に罰として重くのし掛かることでしょう。
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