【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
ベルベット皇国は常に血生臭い悪い噂が絶えない国だった為、迷った国王だったが、ある条件を飲む代わり食糧を提供すると言われた。
それがベルベット皇国、第二皇女であるリリアーナとこの国の王太子であるナシールとが婚約する事……つまりは次期王妃とする事だった。
そして交渉の日ーー
国の運命を握る大切な日にも関わらずに頭の弱いナシールはそんな条件を飲みたくないと駄々を捏ねた。
何故ならばチェリーを愛していたからだ。
一国よりも愛を取るというナシールに周囲は愕然として、王妃は泡を吹いて気絶した。
しかし扇子で口元を隠しながら成り行きを見守っていたリリアーナは、小さく頷くと「構いませんわ」と一言呟いた。
つまりはナシールが誰を愛していようと婚約関係でいられたら構わないとリリアーナは言いたかったのだ。
それならばとナシールも納得した。
ベルベット皇帝も「リリアーナがいいならばいい」と言っただけだった。
こうしてリリアーナが嫁ぐ代わりに、ベルベット皇帝から食糧の支援を受けることになったのだ。
首の皮一枚で繋がった国王は泣いて喜んだ。
目を覚ましたら王妃も同様だった。
リリアーナを前にナシールは「俺は絶対にお前を愛したりしないからな」と高らかに宣言した。
それにはレブーロン国王と王妃が両方とも揃って気絶した。
それでもリリアーナはニコリと口角を上げて「はい」と言っただけだった。
リリアーナが何故ナシールの言う事に従ったのか。
それには海よりも深いワケがある。
それがベルベット皇国、第二皇女であるリリアーナとこの国の王太子であるナシールとが婚約する事……つまりは次期王妃とする事だった。
そして交渉の日ーー
国の運命を握る大切な日にも関わらずに頭の弱いナシールはそんな条件を飲みたくないと駄々を捏ねた。
何故ならばチェリーを愛していたからだ。
一国よりも愛を取るというナシールに周囲は愕然として、王妃は泡を吹いて気絶した。
しかし扇子で口元を隠しながら成り行きを見守っていたリリアーナは、小さく頷くと「構いませんわ」と一言呟いた。
つまりはナシールが誰を愛していようと婚約関係でいられたら構わないとリリアーナは言いたかったのだ。
それならばとナシールも納得した。
ベルベット皇帝も「リリアーナがいいならばいい」と言っただけだった。
こうしてリリアーナが嫁ぐ代わりに、ベルベット皇帝から食糧の支援を受けることになったのだ。
首の皮一枚で繋がった国王は泣いて喜んだ。
目を覚ましたら王妃も同様だった。
リリアーナを前にナシールは「俺は絶対にお前を愛したりしないからな」と高らかに宣言した。
それにはレブーロン国王と王妃が両方とも揃って気絶した。
それでもリリアーナはニコリと口角を上げて「はい」と言っただけだった。
リリアーナが何故ナシールの言う事に従ったのか。
それには海よりも深いワケがある。