【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
こうしてガルグ殿下の婚約者になれて、わたくしは幸せなのです。
外見は恐ろしいのに内面はとても繊細で優しい。
そんなギャップがとても素敵だと思っていました。
「……わ、私には勿体ない、くらいだ……!だから、っ」
急に吃り出すガルグ殿下を見て、にっこりと微笑みながら手を握ります。
「ーーーッ!!」
「ガルグ殿下……これから沢山可愛がって下さいまし」
「ばっ……そ、そ、っミネルヴァ、揶揄わないでくれ!!」
「ウフフ」
ピタリとガルグ殿下の腕に胸を寄せます。
すれば、顔を薔薇のように真っ赤にしたガルグ殿下が目元を押さえました。
そんな可愛らしい姿を見て、これから周囲の方々も印象が変わることでしょう。
今にも倒れてしまいそうなガルグ殿下は、ふらりふらりとよろめいています。
これから毎日が楽しくなりそうです。
end