【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
まるで恋人同士のように…。

上の空だったり、何か考え事をしている様子でしたが、けれどそれを聞き出した事で何の得がございましょう?

さて……わたくしはバレット様に婚約破棄を告げられた訳ですが、了承しただけですのに、何故か「え……?」と返されてしまいました。

なので、わたくしもその理由が分からずに「……え?」と疑問に思ったのですが、バレット様はポカンとして口をあけております。

わたくしは理由が分からずに首を傾げました。


「………」

「……?」


このままバレット様の言葉を待っていても時間が勿体無いと感じたわたくしは、軽くお辞儀をしてからその場から去ろうとしました。


「ま、待ってくれ……!」

「………。何でしょうか」

「っ、訳を聞かないのか!?」


まさか婚約破棄を告げたバレット様の口からそのような言葉を聞くとは思わずに、わたくしは反対側に首を傾げました。
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