潮風、駆ける、サボタージュ
「…体調悪いの?」
少し冷静になろうと由夏が聞いた。
「んー俺って虚弱体質だから体育自体無理。」
「うそつき…」
圭吾は体育を時々サボっているようだが、球技大会やマラソン大会などには参加しているのを由夏は知っている。
だいたい一日も休まずに学校に来てあんな時間まで勉強している人間が虚弱体質なわけがない。
圭吾が休まず学校に来ていることにも、吉田とのやり取りの後に気づいてしまった。
体育のサボりも自習にあてているんだろうと想像がつく。
「バレたか。実は皮膚が弱くて日光に当たれないんだよね。」
もっともらしく圭吾が言う。
「皮膚が弱い人はそんなにブリーチできないと思う。だいたい今外に出てるし。」
「藤澤するどいね。」
「そういうの、本当に困ってる人に失礼だからやめなよ。」
呆れたように言った。
「制服のままだったら教室で自習でもいいんじゃないの?時間のムダじゃん。」
なのになぜわざわざ外に出てきて由夏の心を乱すのか、と由夏は思った。
「まあそれはそうなんだけど、今日はハードルだから、ひさびさに藤澤が走るのかなと思って見にきた。」
“ 藤澤が走るのかなと思って見にきた”
すぐには理解できない言葉だった。
少し冷静になろうと由夏が聞いた。
「んー俺って虚弱体質だから体育自体無理。」
「うそつき…」
圭吾は体育を時々サボっているようだが、球技大会やマラソン大会などには参加しているのを由夏は知っている。
だいたい一日も休まずに学校に来てあんな時間まで勉強している人間が虚弱体質なわけがない。
圭吾が休まず学校に来ていることにも、吉田とのやり取りの後に気づいてしまった。
体育のサボりも自習にあてているんだろうと想像がつく。
「バレたか。実は皮膚が弱くて日光に当たれないんだよね。」
もっともらしく圭吾が言う。
「皮膚が弱い人はそんなにブリーチできないと思う。だいたい今外に出てるし。」
「藤澤するどいね。」
「そういうの、本当に困ってる人に失礼だからやめなよ。」
呆れたように言った。
「制服のままだったら教室で自習でもいいんじゃないの?時間のムダじゃん。」
なのになぜわざわざ外に出てきて由夏の心を乱すのか、と由夏は思った。
「まあそれはそうなんだけど、今日はハードルだから、ひさびさに藤澤が走るのかなと思って見にきた。」
“ 藤澤が走るのかなと思って見にきた”
すぐには理解できない言葉だった。