落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
なにかを振り切るように黒竜は叫んだ。そして、大きな翼を広げ、火山灰の舞う曇った空に飛翔し姿を消す。誰もいなくなった火口でひとり、私は諦めて座り込む。ここは人の足では来られない火口で歩いて下山も出来ない。
それに、熱さと舞い上がる灰で、胸が苦しくなってきている。ヴィーの言う通り、十分も持たないはずだ。
雪のように降る灰を眺めながら、ホミとリンレンの笑顔を思い浮かべる。
あの兄妹を助けられて本当によかった……。
そう思ったのを最後に、私の意識は遠のいた。
間違ってはいない、人間はみんな悪なのだ。
心に言い聞かせながら、俺は灰色の空を飛ぶ。ドーランの王として、人間の国の間者を罰するのは当然のことだ。
しかし、俺の中のなにかがずっと咎めている。今すぐパトリシアを連れに戻るべきだと。彼女を死なせたくないと。
相反する気持ちを抱えながら、結局俺は皆のいるところに帰ってきてしまった。
「王! パトリシアは、パトリシアはどうしたのです?」
それに、熱さと舞い上がる灰で、胸が苦しくなってきている。ヴィーの言う通り、十分も持たないはずだ。
雪のように降る灰を眺めながら、ホミとリンレンの笑顔を思い浮かべる。
あの兄妹を助けられて本当によかった……。
そう思ったのを最後に、私の意識は遠のいた。
間違ってはいない、人間はみんな悪なのだ。
心に言い聞かせながら、俺は灰色の空を飛ぶ。ドーランの王として、人間の国の間者を罰するのは当然のことだ。
しかし、俺の中のなにかがずっと咎めている。今すぐパトリシアを連れに戻るべきだと。彼女を死なせたくないと。
相反する気持ちを抱えながら、結局俺は皆のいるところに帰ってきてしまった。
「王! パトリシアは、パトリシアはどうしたのです?」