落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「ヴィー……そうですね。もっと未来を、先のことを考えなくては。二度と幻獣があのような目に遭わないように、人間たちの意識を変えていきたい。まずは、バーディアとの戦争を終わらせることが目標です!」
「このまま奴らが引き下がるとは到底思えないが……しかし、パトリシアがそう願うなら、俺も努力する。誓ったからな」
「ありがとうございます!」
中庭に、穏やかな時間が流れ、私たちは立ち尽くしたまま見つめ合った。すると突然、一陣の風が吹く。風は私の髪を舞い上げながら、同時に剪定したての木の葉も舞い上げた。
「ああ、髪に木の葉が付いてしまったな。動くなよ、取ってやるから」
「す、すみません」
ヴィーは私の髪に手を伸ばし、一枚一枚丁寧に取っていく。痛くないように、優しく。その気遣いに不覚にもときめいてしまった。これでは彼の杜撰な計画通りになってしまう。でも、最初からそんな予感はしていた。遅かれ早かれ、私、ヴィーのこと、す……。
「こらー! いちゃいちゃしないのよっ! まだ、早いんだから!」
「えっ? ホミ?」
「このまま奴らが引き下がるとは到底思えないが……しかし、パトリシアがそう願うなら、俺も努力する。誓ったからな」
「ありがとうございます!」
中庭に、穏やかな時間が流れ、私たちは立ち尽くしたまま見つめ合った。すると突然、一陣の風が吹く。風は私の髪を舞い上げながら、同時に剪定したての木の葉も舞い上げた。
「ああ、髪に木の葉が付いてしまったな。動くなよ、取ってやるから」
「す、すみません」
ヴィーは私の髪に手を伸ばし、一枚一枚丁寧に取っていく。痛くないように、優しく。その気遣いに不覚にもときめいてしまった。これでは彼の杜撰な計画通りになってしまう。でも、最初からそんな予感はしていた。遅かれ早かれ、私、ヴィーのこと、す……。
「こらー! いちゃいちゃしないのよっ! まだ、早いんだから!」
「えっ? ホミ?」