落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
第五章 聖騎士ダルシアの帰還
北方の辺境国ノースウッドでの死霊退治、その隣国ガーランドでの疫病治療。様々な依頼を終わらせ、私は妹パトリシアの待つ家にようやく帰還出来ることになった。仕事の難易度としては、たいしたことはない。この聖騎士ダルシアにかかれば、事態の収拾は間違いないのだ。しかし、ここは辺境、行き帰りに費やす時間が膨大である。途中の宿泊も合わせると、人生最長の三か月もの期間、家を留守にしてしまった。
パトリシアは大丈夫だろうか……。あの泣き虫で可愛い妹は、私がいなくて寂しい思いをしているのではないだろうか? そんな思いに駆られて、私は愛馬ストレインに乗り、懐かしい我が家へひた走る。
もちろん、北方土産も忘れていない。パトリシアに似合う洋服、パトリシアの髪に映える髪飾り、パトリシアが喜びそうな色鮮やかな小物、パトリシアに……まあ、その他たくさんの土産物を購入済みだ。
鬱蒼とした森を抜けると、懐かしい小屋が見えてきた。師匠ライガンのボロ小屋を妹とふたりで建て直したのだったな。その光景がふと頭を過り、私は目を細めた。
「パトリシアー! 帰ったぞ!」
パトリシアは大丈夫だろうか……。あの泣き虫で可愛い妹は、私がいなくて寂しい思いをしているのではないだろうか? そんな思いに駆られて、私は愛馬ストレインに乗り、懐かしい我が家へひた走る。
もちろん、北方土産も忘れていない。パトリシアに似合う洋服、パトリシアの髪に映える髪飾り、パトリシアが喜びそうな色鮮やかな小物、パトリシアに……まあ、その他たくさんの土産物を購入済みだ。
鬱蒼とした森を抜けると、懐かしい小屋が見えてきた。師匠ライガンのボロ小屋を妹とふたりで建て直したのだったな。その光景がふと頭を過り、私は目を細めた。
「パトリシアー! 帰ったぞ!」