落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「おお! あなたが聖騎士ダルシア! お待ちしておりました。ご存じとは思いますが、こちらがバーディア国王陛下、それと私が神官長グラウニクです」
目つきの悪い男、グラウニクが大袈裟な身振りで言った。
「……お初にお目にかかる。ダルシア・ロックウェルだ。手紙をもらい参上したのだが」
「そうですか! なら話は早い! 早速……」
「その前に! 妹はどこにいるのだろうか? 私より早くバーディアに来ているはずなんだ」
「妹……」
グラウニクは、芝居がかったような意味深な視線を国王に向ける。すると、国王が静かに言ったのだ。
「聖騎士ダルシア、言いにくいのだが、そなたの妹は幻獣の国ドーランの王によって命を奪われた……誠に残念だ」
「は……ははは。なにを言っているのですか? 私を驚かせようと思っているなら無駄ですよ?」
「そうではない。本当のことである。パトリシアは我が兵士と共に前線に赴き、戦いに巻き込まれた。グラウニク、あれを」
「はい。ダルシア、この髪の毛はあなたの妹パトリシアのもの。残念ながら遺体は回収出来ず、それしか残りませんでしたが……」
目つきの悪い男、グラウニクが大袈裟な身振りで言った。
「……お初にお目にかかる。ダルシア・ロックウェルだ。手紙をもらい参上したのだが」
「そうですか! なら話は早い! 早速……」
「その前に! 妹はどこにいるのだろうか? 私より早くバーディアに来ているはずなんだ」
「妹……」
グラウニクは、芝居がかったような意味深な視線を国王に向ける。すると、国王が静かに言ったのだ。
「聖騎士ダルシア、言いにくいのだが、そなたの妹は幻獣の国ドーランの王によって命を奪われた……誠に残念だ」
「は……ははは。なにを言っているのですか? 私を驚かせようと思っているなら無駄ですよ?」
「そうではない。本当のことである。パトリシアは我が兵士と共に前線に赴き、戦いに巻き込まれた。グラウニク、あれを」
「はい。ダルシア、この髪の毛はあなたの妹パトリシアのもの。残念ながら遺体は回収出来ず、それしか残りませんでしたが……」