落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
最初は我が軍の士気のほうが高く、攻撃力も高かった。それなのに、突然どんな攻撃も受け付けず、押し返してくるようになったのだ。おかげでこちらの兵士のやる気が失せてしまい、逃げ出す者も増えた。今残っているのは、ただ争いが好きな傭兵崩れと、強制的に集めた錬度の低い民兵。あとは古参の正規兵がわずかあまり。最近では戦っても無駄だと、怠ける者が続出している。
「白魔術師としては落ちこぼれでしたが、なにか秀でたものがあり、獣人や幻獣に利用されたのかもしれません。そうだとすると、非常に惜しいことをしました。その力があれば、こちらが有利になれたものを。まあ、その可能性は低いのですが」
「うむ。しかし、一応生きていた時のことを考えねば。私たちが森に放逐したことをダルシアに告げ口するかもしれん。そうなると困るぞ?」
「確かに。それでは万が一のために、アレンにダルシアの跡を追わせましょう。もし、生きていた時は余計なことを言う前に……」
「葬る、か」
余計なことをせずに、ダルシアに任せておけば、こんなことにならなかったものを。と、少し気の毒に思った。だが、これも私の大切な願いのため。この願いを叶えるためならば、誰がどうなろうが構わない。
そう、これは、私の愛する者を取り戻す戦なのだ。
「白魔術師としては落ちこぼれでしたが、なにか秀でたものがあり、獣人や幻獣に利用されたのかもしれません。そうだとすると、非常に惜しいことをしました。その力があれば、こちらが有利になれたものを。まあ、その可能性は低いのですが」
「うむ。しかし、一応生きていた時のことを考えねば。私たちが森に放逐したことをダルシアに告げ口するかもしれん。そうなると困るぞ?」
「確かに。それでは万が一のために、アレンにダルシアの跡を追わせましょう。もし、生きていた時は余計なことを言う前に……」
「葬る、か」
余計なことをせずに、ダルシアに任せておけば、こんなことにならなかったものを。と、少し気の毒に思った。だが、これも私の大切な願いのため。この願いを叶えるためならば、誰がどうなろうが構わない。
そう、これは、私の愛する者を取り戻す戦なのだ。