落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
疫病を浄化し、深手や重症をもたちまち直す膨大な魔力量。あらゆる聖属性魔術に精通し、彼固有の光魔術の防御壁「ホーリーシールド」は槍や矢も防ぐという優れた魔術であった。
彼は、バーディアから遥か遠く、いくつも山を越えた深い谷の中に居を構え、隠遁生活をしている。気難しい性格らしく、弟子を取らないことで有名だった。
しかし、そんな噂にも私とダルシアはひるまなかった。二人で手を取り合い、山を越え、川を渡り、飢えと寒さに耐えながら、ライガンの元に辿り着き、強引に弟子入りを志願したのである。
大魔術師ライガンは、豊かな白い髭を蓄えた顰め面の老人であった。
第一印象は怖い人かなと思ったけれど、ボロボロの状態で辿り着いた私たちを、呆れながらも手厚く治療してくれる優しいところもある。
弟子は取らぬ、と頑なに拒否していたのに、私と兄がここに来た経緯や決意を聞くと、次第に態度を軟化させ「それならば仕方あるまい」と、渋々ながらも弟子と認めてくれたのである。
だが、問題はそこからだった。
彼は、バーディアから遥か遠く、いくつも山を越えた深い谷の中に居を構え、隠遁生活をしている。気難しい性格らしく、弟子を取らないことで有名だった。
しかし、そんな噂にも私とダルシアはひるまなかった。二人で手を取り合い、山を越え、川を渡り、飢えと寒さに耐えながら、ライガンの元に辿り着き、強引に弟子入りを志願したのである。
大魔術師ライガンは、豊かな白い髭を蓄えた顰め面の老人であった。
第一印象は怖い人かなと思ったけれど、ボロボロの状態で辿り着いた私たちを、呆れながらも手厚く治療してくれる優しいところもある。
弟子は取らぬ、と頑なに拒否していたのに、私と兄がここに来た経緯や決意を聞くと、次第に態度を軟化させ「それならば仕方あるまい」と、渋々ながらも弟子と認めてくれたのである。
だが、問題はそこからだった。