落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
 生態系が戻り、今や森は薬草や果実の宝庫だ。きっとアロイーズや他の薬草もたくさん生えていると思う。でも、バーディアの兵がうろついている可能性があり、まだ立ち入りは禁止されている。
 ホミは本当に森の奥まで入ったのかしら? そう考えて、思い出した。出会った時ホミは禁止されていたにも関わらず、アロイーズを求めて森にいた。マゴットの辛さを取り除くためなら、必死になってアロイーズを探すはずだわ。
「ふむ。それは心配だな。俺たちも探そう。ダルシアも協力してくれるか?」
「当たり前だ。私の小さな妹なのだからな。パトリシア、早速森に行くぞ」
「はい! 暗くなってからでは探しづらいので急ぎましょう。ブラウンさん、申し訳ありませんが、もう少し留守番をお願い出来ますか?」
「任せてくれ。ホミを頼むよ!」
 私とヴィーとダルシアはその足で迷いの森へと向かった。ここから一番近いのは、以前も行った西側入口付近。あの辺にいるとは思うのだけど、今回は奥に入って探さないといけないかもしれない。
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