落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
書庫にいただろうティアリエスは慌ててやってきて目を見開く。ついさっき帰ったばかりの私たちが、また来たので驚いたみたいだ。ヴィーは森でホミに起こったことを手短に説明すると、ティアリエスにアレンを呼んで来させた。
「俺とパトリシア、ダルシアとアレンの二組でホミ奪還に向かう。グラウニクはホミを人質に伝説の宝を要求する気だろうから、今のところ生命に危険はないはずだ。だが、いつ向こうの気が変わって危害を加えられるかわからない。まずはダルシアとアレンに国王の説得を頼みたいが、もし聞かぬ時は……」
「ええ。やってしまいましょう。悪い子にはお仕置きが必要です」
「珍しいな、ティアリエス。平和主義のお前が好戦的なことを言うなんて」
「私もいい加減腹に据えかねているのですよ」
ティアリエスは静謐な微笑みを張り付けた。その穏やかな笑みが、内なる怒りを表しているようで逆に怖い。だけど、みんな気持ちは一緒である。バーディアはやり過ぎたのだ。あまり怒ることがない私でさえも、国王とグラウニクにはきついお仕置きが必要だと思うのだ。
「私に異存はない。アレンもだよな?」
「俺とパトリシア、ダルシアとアレンの二組でホミ奪還に向かう。グラウニクはホミを人質に伝説の宝を要求する気だろうから、今のところ生命に危険はないはずだ。だが、いつ向こうの気が変わって危害を加えられるかわからない。まずはダルシアとアレンに国王の説得を頼みたいが、もし聞かぬ時は……」
「ええ。やってしまいましょう。悪い子にはお仕置きが必要です」
「珍しいな、ティアリエス。平和主義のお前が好戦的なことを言うなんて」
「私もいい加減腹に据えかねているのですよ」
ティアリエスは静謐な微笑みを張り付けた。その穏やかな笑みが、内なる怒りを表しているようで逆に怖い。だけど、みんな気持ちは一緒である。バーディアはやり過ぎたのだ。あまり怒ることがない私でさえも、国王とグラウニクにはきついお仕置きが必要だと思うのだ。
「私に異存はない。アレンもだよな?」