落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
ダルシアは爽やかに微笑んだ。そうか、これが猫を被ったほうの聖騎士なのね。でも、こっちも兄。紛れもなくこれも彼の真実の姿なのだ。
「よいのか? 聖騎士ダルシアよ。王家にはもうなんの力もない。十分な謝礼も出来ぬのだが……」
「構わないぞ、国王。バーディアは故郷だ。故郷を立て直すのに、謝礼なんて要らないさ。そうだろう、パトリシア?」
「ええ! そうね。だって私たち、その目的でここに来たのだもの」
故郷バーディアを助けたい。そう思ってここに来た。追い出されて捨てられて、どうなることかと思ったけれど、結果的にバーディアを救うことになるなんて。本当に、人生ってなにが起こるかわからないわ。
「話は纏まったな。ではパトリシア、ホミ帰るとしよう。アレンは馬で帰ってこい。ドーランの入り口は開いている。きっとこれから閉じることはないだろう」
「はい。では、のちほど!」
元気のいいアレンの声を背中で聞きながら、私とホミとヴィーは謁見室をあとにする。そして、中庭まで出ると、ヴィーは竜に姿を変えた。
「さあ乗れ。全速力でドーランへ飛ぶからな。しっかり掴まってろよ」
「よいのか? 聖騎士ダルシアよ。王家にはもうなんの力もない。十分な謝礼も出来ぬのだが……」
「構わないぞ、国王。バーディアは故郷だ。故郷を立て直すのに、謝礼なんて要らないさ。そうだろう、パトリシア?」
「ええ! そうね。だって私たち、その目的でここに来たのだもの」
故郷バーディアを助けたい。そう思ってここに来た。追い出されて捨てられて、どうなることかと思ったけれど、結果的にバーディアを救うことになるなんて。本当に、人生ってなにが起こるかわからないわ。
「話は纏まったな。ではパトリシア、ホミ帰るとしよう。アレンは馬で帰ってこい。ドーランの入り口は開いている。きっとこれから閉じることはないだろう」
「はい。では、のちほど!」
元気のいいアレンの声を背中で聞きながら、私とホミとヴィーは謁見室をあとにする。そして、中庭まで出ると、ヴィーは竜に姿を変えた。
「さあ乗れ。全速力でドーランへ飛ぶからな。しっかり掴まってろよ」