落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
普段ぶっきらぼうな人が、不意に放つ甘い言葉には途轍もない破壊力がある。お世辞の言えない彼だから、きっとこれは心からの想い。その強く揺るぎない想いに答えるのは、もしかして今しかないのでは?
「あの、ヴィー?」
「ん?」
「私、ヴィーのこと……」
心を決め、熱い目でヴィーを見上げて、息を吸う。しかしその瞬間、後ろからなにかが私とヴィーの間に割り込んできた。
「おい! 距離が近いぞ。もっと離れて」
「え?……ええっ! ダルシア?」
後ろから乱入してきたのは兄ダルシアだった。
「なんで驚くのだ? 来るって知っていただろう。それよりも、だ! 油断も隙もないな。そう簡単に妹はやらないからな!」
「やれやれ、いいところだったのに! 邪魔者は虫のように湧くものだな」
「虫だとっ! 言わせておけば、この、大トカゲめ!」
「はあ? 失礼な! トカゲではないっ! 俺は由緒正しい幻獣、竜だ!」
ヴィーとダルシアは、私の前で舌戦を繰り広げる。ああ、本当に似た者同士、自分の主張を曲げないところなんてそっくり。でも、それを言うと火に油を注ぐからやめておこう。
「あの、ヴィー?」
「ん?」
「私、ヴィーのこと……」
心を決め、熱い目でヴィーを見上げて、息を吸う。しかしその瞬間、後ろからなにかが私とヴィーの間に割り込んできた。
「おい! 距離が近いぞ。もっと離れて」
「え?……ええっ! ダルシア?」
後ろから乱入してきたのは兄ダルシアだった。
「なんで驚くのだ? 来るって知っていただろう。それよりも、だ! 油断も隙もないな。そう簡単に妹はやらないからな!」
「やれやれ、いいところだったのに! 邪魔者は虫のように湧くものだな」
「虫だとっ! 言わせておけば、この、大トカゲめ!」
「はあ? 失礼な! トカゲではないっ! 俺は由緒正しい幻獣、竜だ!」
ヴィーとダルシアは、私の前で舌戦を繰り広げる。ああ、本当に似た者同士、自分の主張を曲げないところなんてそっくり。でも、それを言うと火に油を注ぐからやめておこう。