落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
私は、怪我人たちに薬草茶を配り始めたホミを手伝いつつ、必死で目立たないようにしながら彼らの話に聞き耳を立てた。
「いけません。言ったでしょう? 世界には多くの人間がいます。バーディアを滅ぼせば、その全てが私たちに牙を剥く。ここは出来るだけ耐えて防御に回り、向こうが諦めるのを待つのです」
「防戦だけとは歯がゆいことだ。しかし、お前の言うことにも一理ある。皆には悪いが、もう少し耐えてくれるか?」
王様が大声で怪我人たちに声をかけると、そこら中から「おお!」という叫び声があがる。ドーランの連帯感は、バーディアのギスギスしたものとはまるで違い、王様に対する尊敬や信頼が感じられた。
「それはそうと、王に紹介したい者がいるのですが」
「ん? 誰だ?」
「ホミとリンレンの親戚のウェアキャットが、ドーランにやって来たらしいですよ。ほらそこの女性です」
背後に鋭い視線を感じ、心臓がバクバク音を立てた。
えっと……ここは振り向くべきかしら? それとも呼ばれるまで仕事を続けるべき? しばらく考えた末、思い切って振り返った。
「いけません。言ったでしょう? 世界には多くの人間がいます。バーディアを滅ぼせば、その全てが私たちに牙を剥く。ここは出来るだけ耐えて防御に回り、向こうが諦めるのを待つのです」
「防戦だけとは歯がゆいことだ。しかし、お前の言うことにも一理ある。皆には悪いが、もう少し耐えてくれるか?」
王様が大声で怪我人たちに声をかけると、そこら中から「おお!」という叫び声があがる。ドーランの連帯感は、バーディアのギスギスしたものとはまるで違い、王様に対する尊敬や信頼が感じられた。
「それはそうと、王に紹介したい者がいるのですが」
「ん? 誰だ?」
「ホミとリンレンの親戚のウェアキャットが、ドーランにやって来たらしいですよ。ほらそこの女性です」
背後に鋭い視線を感じ、心臓がバクバク音を立てた。
えっと……ここは振り向くべきかしら? それとも呼ばれるまで仕事を続けるべき? しばらく考えた末、思い切って振り返った。