落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
ドーランといえば、世にも珍しい幻獣たちの住む国である。この世界の中央にある業火の山の領域にあり、その裾野には「迷いの森」と呼ばれる迷路のような森がある。人々は幻獣たちの未知なる力を恐れ「不戦条約」を結んでいた。
それなのに、どうして今、バーディアはドーランと戦争を始めたのか。
いろいろ腑に落ちないことはあるけれど、これは祖国の危機。
二度と故郷の惨状を見たくないという決意で白魔術を習ったのだから、ここで使わないと意味がない。ダルシアに来た依頼だけど、直ちに駆けつけようと決めた。治癒魔術はあまり上達していないけれど、簡単な治療なら出来る、と思う。疫病の時のように、なにも出来ずに終わるのは嫌だったのだ。
私は急いで出発の準備をした。ダルシア宛に事の次第を書き置きすると、住み慣れた小屋をあとにする。
国を離れて五年、私はもう十七になった。あの疫病の時のように、なにも出来ない子どもじゃない。
今度はみんなの役に立ってみせる、と意気込んで駆け出したのだ。
それなのに、どうして今、バーディアはドーランと戦争を始めたのか。
いろいろ腑に落ちないことはあるけれど、これは祖国の危機。
二度と故郷の惨状を見たくないという決意で白魔術を習ったのだから、ここで使わないと意味がない。ダルシアに来た依頼だけど、直ちに駆けつけようと決めた。治癒魔術はあまり上達していないけれど、簡単な治療なら出来る、と思う。疫病の時のように、なにも出来ずに終わるのは嫌だったのだ。
私は急いで出発の準備をした。ダルシア宛に事の次第を書き置きすると、住み慣れた小屋をあとにする。
国を離れて五年、私はもう十七になった。あの疫病の時のように、なにも出来ない子どもじゃない。
今度はみんなの役に立ってみせる、と意気込んで駆け出したのだ。