落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「こんにちは、ファルさん。警備の帰りですか?」
「はい、そうです! いや、そんなことより、パトリシアさん! 大変なんですよ!」
「……は?」
いきなり突撃してきて、挨拶もそこそこに「大変なんですよ!」とはなにごと? ポカンとしている私を見て、ファルはしまったと自身の頭をコツンと叩き、息を整えて話し始めた。
「今日警備隊はパトリシアさんからもらったアミュレットを身に着け、迷いの森に行きました。ほどなくバーディアの小隊と鉢合わせ、戦闘になったのですが」
「まあ! それは大変でしたね。ご無事でなによりです」
「いえいえ、そこではなくて……大変なのはここから。今まで警備隊は防戦一方で生傷が絶えなかったのですが、今回はなんと! なんとっ!」
ファルは思い切り溜めた。一体、森でなにが起こったのだろう。
私とホミがごくんと息を呑んだ瞬間、前のめりでファルが叫んだ。
「バーディア兵が振るった剣は、我が警備隊に傷ひとつ付けられなかったのです!」
「え……? それは、あの、どういうことです? バーディアの武器が鈍らだったのですか?」
「はい、そうです! いや、そんなことより、パトリシアさん! 大変なんですよ!」
「……は?」
いきなり突撃してきて、挨拶もそこそこに「大変なんですよ!」とはなにごと? ポカンとしている私を見て、ファルはしまったと自身の頭をコツンと叩き、息を整えて話し始めた。
「今日警備隊はパトリシアさんからもらったアミュレットを身に着け、迷いの森に行きました。ほどなくバーディアの小隊と鉢合わせ、戦闘になったのですが」
「まあ! それは大変でしたね。ご無事でなによりです」
「いえいえ、そこではなくて……大変なのはここから。今まで警備隊は防戦一方で生傷が絶えなかったのですが、今回はなんと! なんとっ!」
ファルは思い切り溜めた。一体、森でなにが起こったのだろう。
私とホミがごくんと息を呑んだ瞬間、前のめりでファルが叫んだ。
「バーディア兵が振るった剣は、我が警備隊に傷ひとつ付けられなかったのです!」
「え……? それは、あの、どういうことです? バーディアの武器が鈍らだったのですか?」