信じていた···疑う事も··なかった
どうする?
私は、ホテルから職場へ
このホテルは、飛鳥建設が
手掛けたものだ。
やはり、居心地の良いデザインに
癒やされる空間だ。
平日の今日
早都も仕事に行っただろう。
私も今日、明日は仕事だ。
仕事に集中することで
現実から逃避しているのは
わかっているが
今は、何をどうして良いのか
わからなかった。
更衣室で茉優と合った
と、言うか私が来るのを
待っていたようだ。
「おはよう。」
と、言う私に
「おはよう。お昼ね。大丈夫?」
と、言われたから
「う〜んと、多分。
予定の変更があれば連絡するね。」
と、伝えると
「了解。」
と、手をヒラヒラして出て行く
茉優にありがとう。と心の中で
伝えた。
デザイン課には、
数名のデザイナーがいる。
住宅部門、マンション部門
社屋部門、ガーデニング部門と分かれて。
各部門に係長がいて
デザイン課を統括する課長がいる。
私のいる住宅部門の係長は、
染谷 ( そめや )さん。
既婚者で奥さんとお子さんを
愛している。
家族写真をデスクに置いている
愛妻家の方だ。
課長は、結城さん。
結城 惣磨 ( ゆうき そうま )さん
35歳、独身
長身のイケメン
だが、他人にも自分にも
とても厳しい人だ。
「高木。来い。」
と、課長より
わぁ、何かやった?
と、思いながら
「はい。」
と、答えて課長の元へ
課長について会議室へ
「お前、何かあったのか?」
と、言われて
「えっ。」
「まぁ、良い。
新たな依頼が来た。
2時から打ち合わせに行ってくれ。」
「はい。わかりました。」
と、返事をして会議室を出た。
結城課長が、私の後姿を見ていたなんて
気づきもしなかった。