信じていた···疑う事も··なかった
仕事に逃げる

昼は、茉優と二人で食べた。
茉優は、私がちゃんと食べているのか
心配だったらしい。
あまり食欲のない
私を心配していたが
少しでも食べたからと
安心してくれた。

新たなクライアントの方と
午後から打ち合わせをした。

優しそうな旦那さんと
可愛い奥さん。
奥さんのお腹には二人の赤ちゃんが。
幸せそうな二人に
私も顔が綻んでくる。

私達とは····ちがうな·····と

あ〜ダメダメ、気持ちを切り替えて
デザインを始める。

どのくらいの時間がたったのか
机をコンコンと叩かれて
はっと顔を上げると
結城課長で
「高木。今日はあがれ。」
「そうですね。」
「食事に行くぞ。」
「えっ、課長とですか?」
「なんだ。嫌なのか?」
「嫌と言うか。女性陣を敵に
回したくないと言うか。」
「何言ってるんだ。行くぞ。」
と、言われて
諦めて机の上を片付け
帰る準備をすると
課長は、待っていてくれて
課長の車で移動する。

後部座席に乗ろうとすると
「お前は、客か?」
と、難しい顔をして言うから
そんな怖い顔をしなくても
と、思いながら
「失礼します。」
と、助手席に座る。

課長が連れて来てくれたお店は、
隠れ家みたいな和食のお店だった。

とても美味しかった。

「課長、ありがとうございます。
ごちそうさまでした。」
と、頭を下げ伝えると。
「食べれたようで安心した。」
と、言われて
ん?と、思っていると
「ここしばらく、顔色が悪いし
食欲がなかったみたいだから。」
と、課長から。
えっと、思っていると
「染谷も気にしていた。
何があったか知らないが
きちんと寝て
きちんと食べろ。
話せるなら、相談しろ。
わかったか?」
と、言われて
係長にも·····と。

涙が·····でも泣かない。

余計に心配かけるから
上を向いてから
深呼吸をして
「ありがとうございます。
ご心配おかけしてすみません。
その時は、宜しくお願いします。」
と、言うと
課長は、私の頭に手を置いてから
「送る。」
と、言ってくれたから
会社までお願いした。
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