信じていた···疑う事も··なかった
動き出す③
職場に時任と言う弁護士さんから
連絡が来た。
沙良から依頼された弁護士さんとの事
北山さんは、あの日から
仕事を休んでいる。
俺だって仕事をしている場合ではない。
だが、そんな勝手は許されない。
あの日
佐良の職場である飛鳥建設から
外に出された俺達。
俺は、北山さんに構うことなく
一人で歩く
北山さんと話す気持ちもなかった
「たっ、高木さんが
私を誘うから!!
誘うからですよ!!!!」
と、叫ぶと北山さんは
俺を抜き去りかけて行った。
はぁっ······
そうっ·····そうだろうな
俺が····俺の軽率さが·····
招いた······
どうして。
どうして。
どうして。
沙良以外を
構ったりしたんだろう。
弁護士さんの事務所に向かう。
時任さんから
離婚届を渡された。
沙良の欄は、全て記載されていた。
やはり·····
もう·····だめ·····なんだ·····
どうして·····
頭の中は、それだけ······
時任さんの話は続いている。
・財産分与
・北山さんにかけた金額を
沙良に支払う
・沙良への慰謝料
北山さんにも沙良への支払いがある
会社に乗り込んでの暴言等な
迷惑料。
沙良は、財産分与だけで良いと
もう、二人に関わりたくないと
言っていたらしいが。
北山さんが会社へと乗り込んだ為
それと最後に俺と北山さんは
沙良と飛鳥建設には、
近づかないと言う書類を
渡された。
それは、沙良の名字が
変わっても有効と記載されていた
名字が·····かわる?·····
沙良の?····いやだ······いやだ·······
なら·····どうして·······
時任先生は、
「高木さん。
何故妻である沙良さんを大切に
しなかったのですか?
あなたは、沙良さんをかなり溺愛して
いたとお聞きしました。
何故、ただの一従業員に
癒やしを求めたのですか?
私には、理解できません。
沙良さんは、本当にあなたの事を
愛していらっしゃいました。
そんな沙良さんの気持を考えると
たまらない気持ちになります。
沙良さんの一生を背負っていく
お考えで結婚を誓ったのでは
ありませんか?
まだ、身体の関係だけなら
罵り合いができますが
心の癒やしにされたら
どうにもなりません。
あっ、失礼しました。
いち、弁護士に関係ありませんね。
それでは、離婚届、財産分与等の
ご準備でき次第、ご連絡下さい。
北山さんには、こちらから
ご連絡します。」
と、言われた。
身体関係がないから·····
不貞ではない
と、思っていたのだろうか?
心の癒やし?
北山さんの笑顔が
可愛いと思って······いた?
沙良の笑顔が好きで
きれいで優しい沙良が
好きでたまらなかったのに······?