信じていた···疑う事も··なかった
美佳②

食後のコーヒーを頂きながら
「美佳さん。
今日は素敵な所に
連れてきて貰って
ありがとうございます。」
と、お礼を伝えると
美佳さんは、首を振りながら
「良かった。
喜んで貰えて。」
と、言ってくれた。


それから、私を見て
「あのね·······
と、話す美佳さんの話し····



実は、翔子さんのお母さん
加代さんと染谷さんは、
近所に暮す幼馴染
小さい時から付かず離れずの
関係だったらしい。

恋人だったのか?
違うのか?
わからない存在

だが、大学時代には
お互いに恋人も出来き
それぞれの時間を過ごしたらしい。

その後は、お互いに就職もした。
染谷さんは、
無論 飛鳥建設株式会社に。
京都から離れて東京へ。

加代さんは、京都の実家で
飲食店を。
飲食店と言っても
加代さんの実家は
京都でも老舗だ。
そちらをご両親と切り盛り
していた。

その後
染谷さんは、美佳さんと
出会い幸せな日々を、
送っていた。

だが、そんな日々の中
一本の電話から
染谷さんは京都へ戻った。
戻ったと言っても
年末年始だが。

だが、その間に美佳さんへ
連絡はなくて
年を開けて美佳さんは
染谷さんに何かあったと思った。

だが、何も話さない染谷さん
その上
毎週末にいなくなる彼の
後をつけた。

そこは、京都の大きな病院で。
病室の前には
[ 里見 加代 ]
と、書かれていた。

彼女は、病気だったのだ。

美佳さんは、何度か病院へ
足を運び
献身的に介助をする染谷さんを見て
もう自分のいる場所はないと
思い染谷さんとは連絡をたった。

何も言わずに別れようと
している染谷さんに
情けなくもあった。
自分は、そんなに軽視される
しかない存在だったのかと
泣き崩れる日々を過ごした
と、美佳さんは話してくれた。

あの相思相愛の二人に
そんな事があったのかと思う。

別れを告げてからは
染谷さんとの接触は避け
染谷さんが近くと
姿を消すからと
退職も辞さない美佳さんに
美佳さんを守る為に
美佳さんの部署の方々が
美佳さんを護った。

そんな····経緯が·····

そんな美佳さんの気持ちが
たまらなかった。
だが、そんな人間だったのだと
染谷さんに対して
腹立ちや悔しさが湧いていた。

美佳さんを心配した
美佳さんのご両親が
美佳さんにお見合いをさせる
事になり。
美佳さんも了承した。

その話は、瞬く間に
社内に広がった。
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