信じていた···疑う事も··なかった
美佳③
その頃 加代さんは、
心も無く 自分の側にいる
良に腹を立てていた。
気持ちもないの
来られて
履きも思いやりもない
そんな男に気持ちがある
自分が惨めで情けなくて。
二度来るなと
叩きだした。
その後の加代さんを
支えたのは
加代さんの実家のお店で
修行をされていた
和也さんだった。
だが、どっちつかずの態度を取り
女性を、傷つけた
染谷さんに誰も同情することなく
いないものとされたらしい。
気持ち良い位だ。
笑いがでる。
そんな染谷さんの目を
覚まさせたのは結城さんだ。
当時は、結城さんが、
係長になるか染谷さんが
なるかで力は同じだと
言われていた。
そんな二人の大切なプレゼンの日が
美佳さんのお見合いの日と重なり
迷うことなく
美佳さんのお見合いの席で
土下座をして許しをこう
染谷さんの姿があったらしい。
何度もホテルの関係者や
お見合いの相手からも
追い出されそうになりながらも
何度も、何度も、何度も
土下座を繰り返し
見合いを阻止した。
美佳さんのご両親は
呆れながらも
どこかで待っていたのかも
しれない。
だからと言って
美佳さんの気持ちが
簡単に戻るわけもなく
とても苦しんだらしい
なにせ相手の方は病気の方
許されないと。
そんな美佳さんの元に
和也さんが現れて
染谷さんのデザイン画を見せたらしい。
和也さんは、
「これだけを下さい。
後の全ては、私が全力で
加代を守り抜きます。
ですが、良さんがウロウロしては
邪魔になります。
どうか良さんを引き取って
頂きたい。」
と、頭を下げる和也さん。
瞳に移る悲しみ
辛さ、苦しみ 想いを
美佳さんは感じた。
加代さんは良を想っていて
和也さんに想いはない。
自分の身勝手な気持ちだと
わかっていて言ってくれる
和也さんの気持ちを
思うと美佳さんは、
たまらなかったのだと
話してくれた。
それからは
本当にゆっくり、ゆっくり
時間が進んで行き
あのデザイン画のお店に
招待されたらしい
その時には、加代さんの
お腹には翔子さんがいた。