信じていた···疑う事も··なかった
クリスマス

その年のクリスマスイブの日

沙良は、小さなスリーを
買って鎌倉へとやってきた。

荷物の中には
料理やケーキもある。
美佳さんと作った。

夜になり早都に連絡して
家へと来て貰った。
鍵は、染谷さんにも
渡してくれていたが
それでは意味がない。

初めは、私に鍵をくれると
早都は言ったが
私は受け取らなかった。


その日は、ツリーを二人で
飾り、二人で食事をした。
ケーキも食べた。

灯りを消し
ツリーの灯りだけ

「早都。
あなたが言うように
あなたを見て
辛い思いをするかもしれない。
あの当時を思い出して
泣く事があるかもしれない。」
と、言うと
早都の瞳は悲しみに溢れていた。

「だけど。
その時は、戦う。
戦う事にした。
あなたに思い切り文句を言って
たまには殴ったり
主婦を放棄したり
一人で、大好きな鎌倉を
堪能してあなたは入れてあげない。
そんた意地悪な私でも
あなたは受け入れられる?
いや、無理だ
と、思うなら
この日を貰って
私は早都の元にも
この家にも来ない。」
と、言うと
早都は、一度席を立ち
使った事のない家事室へ
私を連れていき

引き出しの一番上に
手をかけた。

ここは、私の一日の始まりなの
目が覚めてここに立ち
一日の仕事を開始する
原点にしたいの

そう話したらしい自分が
覚えていなかったが·····

その引き出しの中には、
何冊ものデザイン帳と
デザイン画が入っていて
長方形の箱が、収まれていた。

その箱は······わかる
二人で選んだから

早都は、箱を出して
私の手に乗せてくれた。

その箱をそっと開くと
綺麗に指輪が二つ
鎮座していた。

女性ようの指輪を
早都は取り出した。

日付は、家の完成日
「One Life ❨ 一つの人生 ❩ 」
と、掘られていた。

綺麗に磨き挙げられて
彫り変えをされた指輪だが
この指輪は早都と二人で
選んだ指輪。

あの日
テーブルに外して置いた物

私がそっと手を差し出すと
早都は、私を一度見てから
頷き 指輪を嵌めてくれた。

それから遠慮気味に
自分の指輪を私に出す。
私はそれを受け取り
早都の指に嵌めた。

私達には、会話はなく
お互いに沢山の涙を湛えと
デコを、くっつけていた。

クリスマスは、
なぜだが、高木家に
結城課長と茉優
凛と大雅さん
染谷さんと美佳さんが集合して
8人で楽しい時間を過ごした。
< 46 / 53 >

この作品をシェア

pagetop