死亡フラグと危険な婚約者の殺し方〜転生したら殺される運命の悪役令嬢だったので殺される前に殺します〜

「ナーサリー、これをお父様に届けて頂戴」


「かっかしこまりました」



部屋の外で待機していたナーサリーは突然部屋を出た私に驚きつつも手紙を受け取った。


今日は珍しくお父様が家にいる。


だからこそ今が伝えるチャンス!


ということで婚約破棄をしたいという旨を手紙に綴ってナーサリーに届けさせた。
そして数分後、慌てた様子でナーサリーが戻ってくる。


その手には封が切られた少ししわが着いた手紙が握られていた。



「ナーサリー?」


「旦那様がリーゼロット様をお呼びですっ」


「そう。じゃあお父様の所に行くわ」



手紙の内容についての話で間違いないだろう。


部屋を出るとナーサリーがなにか言いたそうにこちらを見ていた。



「ナーサリー?」


「あ、あの。申し訳ございません……!先程手紙の内容が見えてしまいまして……」



ナーサリーは申し訳なさそうに言う。



「あぁ。婚約破棄のことね」


「本当に婚約破棄なさるおつもりですか!?あんなに、あんなにリーゼロット様がお幸せそうにしていたのに……」



ナーサリーが私に向かってここまで感情的になるのは初めてだ。


いつも遠くでビクビクしながら見ているだけだったのに。



「ええ、気付いてしまったのよ。私ではあの方を幸せになど出来ないことにね」



なんせヴィルフリート王子と結ばれるのは後に登場する主人公、シャルロット・リーシックなのだから。


それに私は命の方が大事なので!

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