死亡フラグと危険な婚約者の殺し方〜転生したら殺される運命の悪役令嬢だったので殺される前に殺します〜
ふと意識を目の前のテーブルに戻すと、侍女のナーサリーが慌ててテーブルを拭いていた。


「リーゼロット様、お怪我はありませんか?」


次いでヴィルフリートの側近、キースが声を掛けてくる。


「……大丈夫よ」


「そうですか。お茶淹れ直して参りますね」


ボーッとした頭でなんとか返事をし、向かいに座る婚約者ヴィルフリートを見てみるとヴィルフリートは我関せずといった態度で優雅にお茶を飲んでいた。


この男は……っ。


キッとヴィルフリートを睨んでやる。


今まではこのヴィルフリートにぞっこんだったけど、前世の記憶を取り戻してしまった今はこの澄ました態度が癇に障る。


ん……?


ヴィルフリート?


そこでまた引っかかりを覚える。


婚約者とお茶会、レモンティー、ヴィルフリート、キース、ナーサリー、リーゼロット……。


どれもこれも引っかかる。強いて言うなら既視感のような。

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