死亡フラグと危険な婚約者の殺し方〜転生したら殺される運命の悪役令嬢だったので殺される前に殺します〜
「お茶を淹れ直して参りました」
キースがお茶を持ってくると同時にヴィルフリートが口を開く。
「どうやら私の婚約者は体調が良くないらしい。それを飲んだら部屋に戻るといい」
なんて冷たい声。
私の心配など微塵も感じない。
そしてどこかで聞いたことあるようなセリフ。
そこではたと気づく。
それは私が愛読していた小説『王子と少女、恋焦がれ』の王子、ヴィルフリートのセリフだった。
その本に出てくる王子もヴィルフリートだ。
側近はキース。
そしてその王子の婚約者はリーゼロット……!
気付いた瞬間冷や汗が止まらなくなる。
だって登場人物も国の名前も立ち位置も何もかも小説と同じなのだから――――。