私たちの笑顔
何も言わず、ソファに座った。

和明に触れないように…端っこの方に体をくねらせる。


「なんでそんなに離れるの?」


和明が私の方に寄ってきた。


引っ付いたら…大好きだから離れられなくなる…

だから…和明の体に触れたくない…


「俺は別れたくない」


壁をじっと見つめながら和明が言った。


「俺…子供かな?由美と一緒にいたいよ。離れたくない。由美にどんな過去があってもいい。俺から…離れないでくれ…」


頭を抱えて俯いた和明は…

泣いていた。


顔は手で覆われてて見えなかったけど…一粒の雫が床に落ちていくのが見えたんだ…
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