私たちの笑顔
「ねぇねぇ、そろそろ一人暮らししようと思ってるんだけど…」

「友達の家出るの?」

「うん」

「そっか…」


和明が鞄からプリントを一枚取り出した。

それは、さっきのアパート紹介のプリント。


「まさかこれ見たから?」

「そうだよ。もう友達の家に居候して一年経つしさ…」


この一年、アキと過ごしてすごく楽しかった。

毎日二人で助け合って、新婚みたいに暖かい生活をして…


「在校生は優先して入居させてくれるらしいよ。下宿したいなら早めに問い合わせするといいよ」

「わかった!」


あっという間に教室について、遠くにいる和明を眺めながら講義を受けた。
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