私たちの笑顔
「……」


何も喋らない和明。


「どうしたの!?」


ちょっと大きな声を出したら、ビックリしたような返事をした。


「んあっ!?ごめん…寝ちゃってた…」


か…かわいい…。


「迎えに行くから逢わない?せっかくのイブだし…」

「うん!」


こうして、急遽和明と逢うことに。

念のため、アキに置き手紙を書いた。

一時間後に迎えにきてくれて、和明の車に乗り込んだ。


「どこ…行く?」

「どこ…行こうか…?」


逢ったはいいけど…急遽すぎて何も考えてなかった…。


「俺行きたいとこあるんだけど…」


エアコンから勢いよく吹き付ける温風に手をかざしながら、深刻な顔をして和明が言った。
< 208 / 257 >

この作品をシェア

pagetop